現在多くの歯科医院で定期検診が行なわれています。
定期検診はなぜ必要で、なぜここまで一般に広がり、どのようなメリットがあるのでしょうか。
定期検診について解説します。
目次
■定期検診で行うこと
◎歯周組織検査
定期検診に行くと、歯科衛生士が歯周組織検査というお口の中の状態を数値化する検査を行います。
歯周組織検査では、まずプローブという道具を使って歯周ポケットの深さを測ります。
歯周ポケットの深さを測った時に、同時に出血があるか、歯の動揺があるかなども診ます。
歯周組織検査は定期検診のために行われ、データが全て残っているため、歯周病の進行があればすぐに気づくことができます。
◎スケーリング、ルートプレーニング
スケーリングとは、歯についた歯石や家では落としにくい汚れを除去する処置です。
スケーリングは、超音波スケーラーと手動スケーラーを使って行われます。
ルートプレーニングとは、歯根付近についた歯石を除去した後に表面を滑沢に仕上げる処置です。
表面を滑沢に仕上げると、新しいプラークを呼び寄せるリスクが減ります。
◎歯面研磨
スケーリングが終わった後は、歯の表面に細かい傷がついています。
これを研磨によってつるつるに仕上げることで、新たなプラークの付着を防ぎます。
また歯面研磨を行うことにより、歯の表面のペリクルやステインなど、家でのブラッシング落とせない汚れを除去することができます。
歯面研磨はスケーリングのように、ピンポイントで着したものを落とすわけではなく歯全体の表面に対して作用します。
そのためスケーリングと一緒にこの歯面研磨を行うと、大変効果的です。
◎フッ素塗布
汚れが落ちた歯の表面にフッ素を塗布することで、より虫歯予防効果が高まります。
またフッ素塗布は定期的に行うことによって、さらに効果があがります。
◎歯科医師のチェック
クリーニングが終わると、歯科医師が虫歯の進行や、その他の異常がないかチェックをします。
このチェックで異常があれば、次回の予約をお取りいただき、治療に移行します。
■定期検診が必要な理由
◎歯周病予防のため
歯周組織検査を行うことで、歯周病の進行度がわかります。
もし進行が起こっていても、早期発見早期治療が行えるため、重症化をふせぐことができます。
◎虫歯予防のため
歯科医師のチェックにより、虫歯の新たな発生や進行についても知ることができます。
虫歯が神経に達してしまうと神経を除去しなくてはならないため、歯の寿命が大幅に縮まってしまいます。
これを防ぐためにも、早期発見、早期治療が大切です。
◎治療済みの部分のメンテナンス
インプラント埋入した方、義歯を作成した方などは、定期的なチェックを行うことで長く快適に使うことができます。
もし目に見えない程の破損やひびがあったとしても、定期検診に通っていれば早めに気づくことができます。
■定期検診の頻度について
◎3ヵ月~6ヵ月に1度がベスト
多くの歯科医院で、定期検診を3ヶ月~6ヶ月に一度行っています。
これは歯石やその他の汚れの蓄積が3ヶ月頃から始まるためです。
◎通うのをやめないことが大切
もし忙しくてそのような頻度で通えないという方も、歯科医院に通うことをやめてしまわずに、定期的に通うことが大切です。
年に1回程度であっても定期的にチェックし、虫歯や歯周病を予防する意識を持てると良いでしょう。
【定期検診に通って口腔の健康を保ちましょう】
虫歯や歯周病、歯の喪失が減った理由の一つとして定期検診が一般に広がったことがあげられるといわれています。
さまざまなお口の中の病気の発生や、予防につながる定期検診を上手く利用し、長く自分の歯で食事をかめるようにしましょう。