根管治療は、むし歯が進行して歯の内部にある感染した神経や組織を取り除き、歯を残すための重要な処置です。しかし、治療後に歯の痛みを感じることがあり、その原因や対処法について理解しておくことが大切です。
根管治療後の痛みの原因、痛みが続く期間、そして適切な対処法について詳しく解説します。
目次
■根管治療後に歯が痛む原因
◎治療による刺激
根管治療では、歯の内部を清掃し、感染した組織を除去します。この過程で周囲の組織が刺激を受け、治療後に一時的な痛みや違和感が残ることがあります。これは通常の反応であり、数日以内に軽減することが多いです。
◎噛み合わせの問題
治療後に仮の詰め物や被せ物を装着する際、噛み合わせが適切でないと、噛む度に痛みを感じることがあります。詰め物や被せ物の高さが合っていない場合、歯や周囲の組織に過度な負担がかかり、痛みの原因となります。
◎薬剤による圧力
根管内に薬剤を詰める際、圧力がかかることで周囲の組織が圧迫され、痛みを感じることがあります。これは一時的なもので、通常は数日以内に治まります。
◎感染組織の残存
根管内の感染組織が完全に除去されていない場合、再度感染が進行し、痛みが続くことがあります。根管は非常に細かく複雑な構造をしているため、徹底的に清掃するには歯科医師の技術や充実した設備が重要になることもあります。
◎新たなむし歯や歯周病
治療後に新たなむし歯や歯周病が発生すると、痛みの原因となります。特に、口腔内の衛生状態が悪いと、再感染のリスクが高まります。
◎歯根破折
根管治療後の歯は、神経を失って脆くなるため、歯根が割れる「歯根破折」を起こすことがあります。これにより、持続的な痛みや違和感が生じます。
◎治療器具の破損や残存
技術不足などにより根管治療中に使用する器具が破損し、根管内に残留することが稀にあります。これが原因で痛みや感染が再発する可能性があります。
■痛みが続く期間
根管治療後の痛みは、通常数日から1週間程度で軽減します。しかし、1週間以上痛みが続く場合や、痛みが増強する場合は、何らかの問題が発生している可能性があります。
例えば、感染の再発や歯根破折などが考えられます。このような場合は、早めに歯科医院を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。
■痛みへの対処法
◎鎮痛剤の服用
市販の鎮痛剤を使用して痛みを和らげることができます。ただし、用法・用量を守り、長期間の使用は避けてください。
◎患部の冷却
痛みが強い場合、患部を冷やすことで炎症を抑え、痛みを軽減することができます。ただし、冷やしすぎには注意が必要です。
◎安静にする
治療後は、患部を安静に保ち、硬い食べ物や刺激物を避けることで、痛みの軽減につながります。
◎口腔内の清潔保持
適切なブラッシングやデンタルフロスの使用で、口腔内を清潔に保ち、再感染のリスクを減少させます。
◎歯科医院への相談
痛みが長引く場合や、腫れ、発熱などの症状がある場合は、早めに歯科医院を受診し、適切な対応を受けるようにしましょう。
【気になる痛みはすぐにご相談ください】
根管治療後の痛みは、多くの場合一時的なものですが、痛みが続く場合や強くなる場合は、何らかの問題が発生している可能性があります。我慢せず、適切な対処と早期の受診で歯の健康を維持していきましょう。