歯を明るく輝かせるホワイトニング。「どうしてホワイトニングで歯が白くなるのか?」そのメカニズムについて詳しく知っている方は少ないかもしれません。今回はホワイトニングの基本的な原理や仕組みを詳しく解説します。
■ホワイトニングの基本原理
ホワイトニングとは、歯の表面や内部にしみついた色素を分解して歯を白くする方法です。日々の食べ物や飲み物、喫煙などにより歯は次第に黄ばんでいきます。特にコーヒーや紅茶、赤ワイン、タバコは、歯に色素が残りやすい原因です。ホワイトニングは、これらの色素を分解することで歯の白さを取り戻し、明るく見せます。
■ホワイトニングの種類
ホワイトニングには主に「オフィスホワイトニング」と「ホームホワイトニング」の2つの方法があります。
オフィスホワイトニングは、歯科医院で行われる高濃度のホワイトニング剤を使用する方法で、短期間で効果が期待できるのが特徴です。一方、ホームホワイトニングは、自宅で行う方法で、低濃度のホワイトニング剤を数週間かけて使用することで、徐々に歯を白くする方法です。
■ホワイトニングのメカニズム
ホワイトニングで歯が白くなるのは、主に「フリーラジカルの作用」と「光の乱反射によるマスキング効果」によるものです。それぞれの原理について詳しく見ていきましょう。
◎フリーラジカルによる色素分解
ホワイトニング剤には過酸化水素や過酸化尿素といった過酸化物が含まれています。これらの薬剤は、光や熱、さらにはpHの調整などで反応を起こし、フリーラジカル(活性酸素)を生成します。
このフリーラジカルは高い酸化力を持ち、歯の表面のエナメル質やその内側の象牙質に染みついた色素に作用し、分子を分解して無色化します。これにより、歯の明るさが増し、白く見えるようになるのです。
エナメル質は歯の表面を覆う透明な層で、その内側にある象牙質が黄色味を帯びた色をしているため、エナメル質の透明度が高くなると歯全体が明るく見えます。
オフィスホワイトニングで使用する過酸化水素は短時間で分解されるため、即効性があります。
一方、ホームホワイトニングに使用される過酸化尿素は、過酸化水素と尿素に分解されるまで8時間程度かかるため、睡眠中に装着することで効果を引き出しやすくなります。このように、使用するホワイトニング剤の種類や方法によって、作用のスピードや効果の持続時間が異なります。
◎光の乱反射によるマスキング効果
エナメル質は「エナメル小柱」と呼ばれる多数の柱状の構造が集合してできており、1本の歯にはおよそ800万〜1200万本のエナメル小柱が存在します。
この小柱の角ばった構造は光を通しやすいため、エナメル質の内側にある象牙質の色が透けて見えやすくなります。ホワイトニング剤の作用によって、エナメル小柱の表面が丸みを帯びた形に変わり、光が乱反射するようになるため、象牙質の色が透けにくくなり、歯全体が白く明るく見えるのです。
【ホワイトニングもご相談ください】
ホワイトニングは、過酸化水素や過酸化尿素の酸化作用によって歯の色素を分解し、白さを引き出すメカニズムです。当院では、審美治療としてホワイトニングも対応しておりますので、不安なことや気になることがあればお気軽にご相談ください。