日本の平均寿命は伸び続け、世界でも有数の長寿国となりました。
そんな中、最近ではその寿命の質について考えようという動きが出てきました。
健康寿命とは何で、お口の健康はそこにどのように関わっているのでしょうか。
健康寿命についてと、歯科の関わりについて解説します。
目次
■健康寿命を伸ばそう
◎健康寿命とは
健康寿命とは、病気などの理由で日常生活に支障をきたすことなく生活できる期間のことを指します。
平均寿命は寝たきりや病気の期間も含めて数えますが、健康寿命にこの期間は含まれません。
日本の平均寿命は伸びている反面、その中には寝たきりの方や介護を必要とする方が多く含まれます。
今後、できるだけ健康寿命を伸ばすことが課題といえます。
◎QOL
健康寿命と似ている意味を持つのがQOL、クオリティオブライフと呼ばれるものです。
これは日本語で「生活の質」と訳されます。
QOLが高いとは、文字通り生活の質やその方の満足度が高い状態のことです。
趣味を楽しんでいる、生き甲斐がある、適度に運動を習慣にしている、そしてしっかり食べているなどの人指標が考えられます。
健康寿命の中に、この「QOLが高いことが含まれる」と考えると良いと思います。
◎人は本来120歳まで健康でいられる!?
人の本来の寿命は120歳とまでいわれています。
しかし、病気などでそれより早く亡くなることがほとんどです。
「病気をせず、健康で120歳まで生きられるなら、やりたいことがたくさんある!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
■健康と口腔について
平均寿命が伸びる中、健康寿命を伸ばすことが課題となっていますが、全身の健康には口腔が重要な役割を果たしています。
◎8020運動
8020運動は、1989年に提唱された80歳まで20本の歯を残そうという運動です。
20本の歯があれば十分に食事を楽しめることから、できるだけ長い期間自分の歯で食事を楽しめるようにと考えられて始められた運動です。
2016年の調査では、80歳で20本の歯を有している方は51.2%にものぼるといわれています。
歯を失う二大原因は虫歯と歯周病です。
神経を失った歯や、重度の歯周病にかかった歯は早期喪失の危険が増します。
虫歯や歯周病はまず予防する、かかってしまっても早期に発見、治療することが重要です。
◎口腔が健康だと体も健康!
自分の歯でかめることは、消化などの機能を助けるだけでなく、大切な楽しみとなります。
健康寿命や生活への満足度を伸ばすために、ぜひ多くの歯を残して人生を楽しみたいものです。
◎全身疾患との関連性
歯をきちんと残すことも健康寿命にとっては大切ですが、最近では口腔内の疾患である歯周病が、全身疾患の増悪因子となってしまう可能性について指摘されています。
循環器疾患、脳血管疾患などでは、病変を起こした場所から歯周病菌が見つかることもあります。
また、糖尿病においては、歯周病が糖尿病を悪化させ、糖尿病が歯周病を悪化させるという相互に影響し合った状態になることが分かっています。
また、歯の本数を残すために歯周病を予防することはとても大切ですが、全身疾患の増悪を起こさせないためにもお口の中の健康を守ることは大切です。
【健康寿命を伸ばすために、お口の中の健康を守ろう】
人生をより長く楽しむためには健康寿命を伸ばすことがとても重要です。
歯科医院は、患者様が生き生きと、より長く快適な時間を過ごせるようにお手伝いします。
まずは定期検診を受け、口腔内の状態を把握しておきましょう。
定期的に通っていただくことで、虫歯や歯周病を予防でき、歯の喪失を防げます。
当院ではお口の中から、患者様のより良い生活を応援いたします。
何かお悩みのことがありましたら何でもご相談ください。