セレック治療という言葉を聞いたことがありますか?
セレック治療とはスキャナでお口の中の3 D データをとり、それをもとにセラミックの素材を切り出してかぶせものを制作する治療法です。
セレック治療におけるメリットとデメリットについて解説します。
目次
■本来のかぶせもの作製とは
◎印象剤で型取りを行う
本来かぶせものの治療を行う際は、印象剤という材料でお口の中の型取りをします。
そしてその型に石膏を流し込み、お口の中の立体模型を得ます。
それを技工所に送り、その型に合わせてかぶせものを作製してもらいます。
印象材は、温度や寝る時間などが細かく決められているため、扱う人によってでき上がってきたものの精度の差が出てしまうのが難点です。
また印象材は柔らかいため、喉の奥に流れ込んでしまい、嘔吐反射を引き起こすこともあります。
◎セレックはスキャナで型取り
それに対してセレックはペン型の口腔内スキャナーを、お口の中で移動させ、3Dのデータを得ます。
データは一瞬でコンピューター上で取り扱えるようになります。
コンピューターを利用して型取りを行っているため、手順さえ覚えればどんな人が扱っても、一定の精度のものができ上がるのが良い点です。
またお口の中スキャナが移動するだけなので、嘔吐反射が起こりやすかった患者様にも安心して受けていただける口腔内の印象方法といえるでしょう。
◎型取り、輸送、装着の時間がかかった
本来の型取りの方法では、型をとり、それを技工所に送り、一週間ほどの後、戻ってきたかぶせものを装着するという方法でした。
そのため、最低でも2回に及ぶ治療回数がかかります。
また石膏模型は、梱包をしっかりしたり、以降所の方に取りに来てもらったりしないと、でも破損しやすいというリスクがあります。
◎セレックはデータでやり取り
セレックでは、やり取りを全てデータで行います。
そのため技工所に送るための手間は一切ありません。
しかも型をとってすぐに共有できるため、時間のロスもありません。
技工所からかぶせもの自体が届けられてくる時のみ、時間がかかることになります。治療期間を大幅に短縮できます。
◎置き場所が必要だった
従来の印象方法だと、必ず石膏模型を得る必要があるため、歯科医院ではそれ専用の棚を作る必要があります。
その石膏模型は患者様の大切なデータのため、時には治療が終わってからも保存しておく必要があります。
そのため、長い年数開業している歯科医院ほど、棚が石膏模型でいっぱいになってしまいます。
◎セレックは置き場がいらない
セレックはすべてのデータが3Dデータでやりとりされるため、置き場所の必要がありません。
また廃棄物として出ることもないため、環境にも優しいといえるでしょう。
■セラミックのかぶせものを最短で装着
◎セラミックを切り出してかぶせものを作製
セレックでは、スキャナで取り込んだデータを3Dプリントのような機器に転送し、そのデータをもとにセラミックを切り出しかぶせもの作製をします。
そのため最短の時間でかぶせものを入れることができます。
また器械が切り出しているため、人件費などのコストを抑えられ、セレックで治療すると、通常のセラミックスのかぶせものより安価に値段が設定されていることも多いです。
◎セラミックの良さはそのまま
セラミックには汚れがつきにくい、虫歯が入りにくいなどのメリットがたくさんあります。このセラミックの良さはそのままに、最短の時間で、できる限り価格を抑えてかぶせものができるのがセレックの良さです。
◎保険適用でも白い詰め物・被せ物ができる
保険適用の範囲でも白い詰め物と被せ物ができることはご存じですか?
保険のCAD/CAM冠は今のところ口腔内をアルジネート印象で石膏模型を作り、それをスキャンして冠を作製します。
前歯、小臼歯(インレー、冠)第一大臼歯(第二大臼歯が4本ある場合に限りインレーまたは冠が作製できる)が保険適応になっております。
白い人工の歯は自由診療だけではないことも知っておくとよいでしょう
【最短、安価にセラミックのかぶせものを作製できるセレック】
光を利用した口腔内の型どりは、少しずつ一般に広がっています。
セレックもそのうちの1つです。
この方法は今後歯科医院のかぶせものの治療法の主流になる可能性もあります。
通常の型取りではなかなか満足できなかった患者様は、セレックを扱っている歯科医院でかぶせものの作製を考えてみてはいかがでしょうか。