歯周病とは、歯ぐきに炎症が起こる病気です。歯周病は日本国民の3人に2人がかかると言われるほど身近な病気ですが、その危険性や治療法についてはあまり知られていません。
歯周病は放置すると、歯を支える骨が溶けてしまったり、心臓や脳など全身に影響を及ぼしたりする可能性がありますので、早期発見・早期治療が大切です。
■歯周病の治療
歯周病の治療は、歯周病の進行度によって異なります。
◎歯周基本治療
歯周病の原因である歯垢や歯石を除去することで、歯周組織の炎症を抑える治療です。歯科医院で専用の器具を使って歯垢や歯石の除去を行います。また、自宅でのブラッシングやフロスなどのセルフケアも重要です。
◎歯周外科治療
歯周基本治療だけでは改善しない場合や、歯周ポケットが深い場合に行われる手術です。歯肉をめくって歯周ポケット内の細菌や汚れを除去したり、歯肉や骨を移植したりすることで、歯周組織の再生を促します。
◎歯周組織再生治療
歯周組織が大きく損傷している場合に行われる手術です。特殊な材料を用いて、失われた骨や結合組織を再生させることを目的とします。
歯周基本治療は保険適用となりますが、外科治療や再生治療は内容によって保険適用外となる場合もあります。
■歯周病の症状
歯周病の初期段階では自覚症状がないことが多いですが、症状が進行すると以下のような症状が現れます。
◎歯ぐきの出血
歯ぐきに炎症が起こると、歯磨きや食事のときに出血しやすくなります。出血は歯周病の初期段階である歯肉炎の兆候です。
◎歯ぐきの腫れや赤み
歯ぐきが腫れたり赤くなったりするのも、炎症のサインです。歯ぐきがぶよぶよとしていたり、歯と歯の間の歯ぐきが丸く膨れていたりする場合は注意が必要です。
◎口臭
歯周ポケットと呼ばれる歯と歯ぐきの溝に細菌が増殖すると、悪臭を発する物質が生成され、これが口臭の原因になります。口臭は歯周病が進行していることを示す指標の一つとなります。
◎歯の動揺や変位
歯周病がさらに進行すると、歯を支える骨が溶けてしまいます。これにより、歯がグラグラしたり、位置が変わったりします。最終的には、歯が抜け落ちる可能性もあります。
◎歯の知覚過敏や痛み
歯周病で歯ぐきが下がると、本来は隠れているはずの歯根が露出します。これにより、冷たいものや甘いものなどに対して、歯がしみたり痛んだりすることがあります。
【歯周病は予防できます】
歯周病の予防には、日頃のセルフケアとプロフェッショナルケアが必要です。
セルフケアでは、毎日2回以上、1回3分以上かけて丁寧に歯を磨きましょう。また、フロスや歯間ブラシを使って歯と歯の間の汚れも除去しましょう。口腔内を清潔に保つことが、歯周病予防の基本です。
プロフェッショナルケアでは、3~6か月に1回程度、歯科医院でクリーニングや検査を受けましょう。自分では取りきれない歯垢や歯石を除去したり、レントゲン写真で歯肉溝の深さや歯周病の進行度をチェックしたりします。
歯周病は早期発見・早期治療が重要です。当院でも歯周病のケアについて指導を行っておりますのでお気軽にご相談ください。