歯周病は、歯の周りの組織に炎症が起きている病気です。簡単に言うと、歯を支える歯茎や歯槽骨が壊されている状態です。
歯周病は、痛みがなく静かに進行する特徴があります。腫れや出血、歯のぐらつきなどで気づいたときには、歯槽骨まで炎症が広がっている場合があります。そのまま重症化すると、歯が抜け落ちてしまうことも。大人はもちろん、小中学生でもかかる可能性のある病気であり、全身に影響することもあるため、原因を理解したうえで予防することが大切です。
■歯周病の原因
歯周病の主な原因は歯垢(プラーク)ですが、その中でも直接的なものと間接的なものがあります。
◎直接的な原因
歯周病になる直接的な原因は歯垢です。歯垢は細菌の塊のようなもので、中にある細菌が出す毒素により、歯の周りに炎症を起こし歯周病になってしまいます。歯垢をしっかり落とすことが予防の鍵です。歯磨きをする際は、歯と歯茎の間の歯周ポケットを特に注意してブラッシングし清潔に保ちましょう。歯垢が歯石に変わる前に、定期的な歯科医院でのクリーニングも重要です。
◎間接的な原因
・生活習慣と口の環境
口の中の状態や、私たちの生活習慣も、歯周病に影響します。以下の点に注意しましょう。
・歯並び
悪い歯並びは、歯ブラシの届きにくい場所を作り出し、歯垢が溜まりやすくなります。
・口呼吸や歯ぎしり
口呼吸は口内を乾燥させ、細菌の温床に。歯ぎしりは歯茎に負担をかけます。
・喫煙
喫煙は血流を悪化させ、炎症を治りにくくします。
・ストレスと生活習慣
ストレスや不規則な生活は、体の防御機能を下げ、歯茎を弱らせます。
■歯周病の治療法
◎初期治療
歯周病の初期段階では、セルフケアとプロフェッショナルクリーニングが有効です。この段階では、スケーリングという歯石の除去や口腔内の清掃、ブラッシング指導が行われます。これにより、細菌の温床となる歯石や歯垢を取り除き、歯茎の健康を取り戻します。
◎進行した歯周病の治療
進行した歯周病の場合、より専門的な処置が必要です。歯周ポケットの深い部分をクリーニングするために、フラップ手術が行われることがあります。この手術では、歯茎の切開を伴って、細菌の除去と骨組織の再生を促します。
◎メンテナンス
治療後のメンテナンスは、再発防止のために非常に重要です。定期的に歯科医院を訪れ、専門的なクリーニングを受けることで、歯周病のリスクを大きく低減できます。
◎生活習慣の見直し
健康な口内環境を維持するためには、日々の生活習慣の見直しが不可欠です。バランスの取れた食事、十分な水分摂取、禁煙、ストレス管理などが、歯周病予防に効果的です。
【歯周病の原因を確認しよう】
歯周病は、早期に発見し、適切な治療を行うことで進行を抑えることができます。歯周病は原因を知ることで、治療もスムーズに進みます。また、歯周病の再発を防ぐこともできるでしょう。歯周病でお悩みの方は当院までご相談ください。